『学芸大学』ピアソラ考『音楽教室』
アストル・ピアソラ作曲「フガータ」及び「現実との3分間」の2曲を演奏する事になった。思えば、学生時代からの夢であった。

#フガータ
フーガを日本語で遁走曲と言う。細かい話は置いておいて、フーガははじめに単旋律のメロディが出てくる。これを「主題」と言うが、その「主題」を二つ目のメロディが追いかける、これを「応答」と言う。専門的になりそうなので端折る。また、意味のわからない言葉はどうぞ質問して下さい。
問題は、その「主題」と「応答」の音程差だ。
通常は、完全5度上。「主題」の完全5度上で「応答」、模倣される。それがフーガの作法であり、技法だ。また完全5度上を人は明るく、煌びやかに、よりオープンに感じるはずだ。
ところがピアソラはそうはしない。「主題」の完全5度下の「応答」。さらにつぎのメロディは、また完全5度下、次はまた完全5度下。
これでは、闇に包まれ、地獄の底に堕ちていく、悲痛な叫びだ。そして、地獄の底に堕ち切ったところで、バンドなら全楽器ユニゾン。ポリフォニーがユニゾンになる瞬間、何を思う？
世の中に、観なきゃ良かった映画があるように、読まなきゃ良かった小説があるように、聴かなきゃ良かった曲もあるのかも知れない。
果たして、どんな表現になるのか？
不気味、怖い、悲しい、、、それが、褒め言葉なのかも知れない。

#現実との3分間
ドミナント始まりのドミナント終わり。中間部に甘い夢を見る。
ドミナント始まり？そう始まってないのかも知れない。
ドミナント終わり？終わってない！
特に最終和音。まあ、終わっているとして^_^。
G7フラット9th.13thからのサブスティテュート、裏コードのルートDフラット強打。
この曲は3分間なんかで終わらない。
永遠に終わらないのかも知れない。永遠に。

#学芸大学 #音楽教室