株式会社シェリー・アーツ

美しいばかりが音楽ではない。

お問い合わせはこちら

美しいばかりが音楽ではない。

美しいばかりが音楽ではない。

2023/02/11

音楽は美しいものばかりではない。
観なきゃよかったと思う後味の悪い映画があるように、読まなきゃよかったと思う小説があるように、
聴かなきゃよかったという音楽、曲も存在する。
もちろん、観なきゃよかった、読まなきゃよかったと思うほど、考えさせられる訳で、名作に違いない。
音楽も、聴かなきゃよかったと思うほど、内容のある、美しいばかりではない、名曲なのだろう。そんな曲が好きだから困ったものだ。

例えば、有名なベートーベンの第九、第4楽章冒頭の和音。ちょっと専門的になるが、Dマイナーの和音にB♭がギャーンとなる。
ピアノで再現するならば、左手でラ・ファ・ラ、右手でシ♭・レ・ファ・シ♭。
Dマイナーキーの、いやクラシック風に言うと、D mollのIの和音の第2転回形に思いっきりシ♭が当たる。
ふつうやらない、いや、やってはいけないと教わるはずだ。短9度音程という。何という汚い和音な事か。それでいて考えさせられる。
そう思って、あの第九の第4楽章を聴いてみるといい。

ショパンのピアノソナタ第3番を練習している。今も弾いていたところだ。
全楽章大変なものだが、特に第1楽章の展開部が大変だ。晩年の作品によく出てくるポリフォニーの嵐。
調的にもころころ変わる。あっちこっちにメロディらしきものが出てくる。
脳みそを4分割くらいしないと弾けないのではないか?大変な曲を選んでしまったものだ。
もう少し精神的に楽な時だったらよかったのかも知れないが、まあ、今は時間はある。

余談だが、ベートーベンに戻る。歓喜の歌。
「フロイデ!!」とは歓びのことだ。いろんな訳があるが「やったー」でも「いえい」でも何でもいい、本当に、それで伝われば。
途中、「フォル・ゴット」という歌詞が出てくる。神の御前という意味だ。ドイツ語は不慣れなのだが、英語ならin front of GODか?
民衆が手を取り合って神の御前に到達すべく門を開けようとする。
ところが、天使がそれを阻止する。天使と言っても羽の生えたピヨピヨ言ってそうなかわいい天使を想像してはいけない。
ゴリゴリのマッチョ、長い杖を持っている。名前は忘れた。
民衆が手を取り合って神の御前に行きたい、それを簡単にそうはさせないと阻止するマッチョな天使。
弦の雪崩で表現されている。
神の御前にはそう簡単に行けそうにない。

そういうことを知って、曲を聴くと感動が増す。
第九うんちくは、まだまだあるのだが、ピアノに戻ることにする。
神の御前には、そう簡単に行けそうにない。

----------------------------------------------------------------------
シェリー・アーツ音楽教室
〒152-0002
東京都目黒区目黒本町2丁目11-15
電話番号 : 090-2629-9246


----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。